【第154回例会】わたしとわたし、ぼくとぼく

イベントの概要

「自分とは違う人」も大切に出来る世界を。
LGBT、ジェンダー、多様性の問題。「最近よく聞くけど、自分には関係ない。」そう思っていませんか?誰にとっても関係があり身近なそれを、子供から大人まで、みんなで話しましょう。

日時2022/10/10
14:00 - 16:00
開催場所とちぎ岩下の新生姜ホール(大ホール) ー 〒328-0035 栃木県栃木市旭町12−16
カテゴリー
※予定は今後の状況によって変更される可能性があります。

イベントの詳細

あらすじ

主人公である“ぼく”保育士30歳佐々木健人は、娘のおむつ を男性保育士に替えて欲しくないと言われ悩んでいる。
その子をいやらしい目で見ているわけではない、だって男性同性愛者である。だからといって男の子のことをそういう目で見ているわけでもない。面と向かって言いたいが自分のこともカミングアウトできない自分に鬱々としている。
そこに鏡から少女が現れ“ぼく”を鏡の中へ連れて行く。そこは20年前の世界。
“ぼく”は10歳のぼくと出会う。10歳の“ぼく”は男の子を好きになることを不安に思っている。
30歳のおじさん健人が助言することで、20年前の記憶がどんどん変化してしまう。
果たして10歳の“ぼく”はどうなる?おじさん健人は現代へ帰れるのか…?

制作意図

劇団うりんこは初めて、ゲイ(男性同性愛者)を主人公としたLGBT作品を創りました。ゲイであることにこだわった作品を作り続けている、劇団フライングステージ主宰、関根信一氏と出会い、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー各単語の頭文字を組み合わせた性的少数者の総称)という言葉、その割合は13人に1人ということ、そして性別は、女性男性のどちらかに分けられるわけではない、同性同士好きになる人もいる、ということを知りました。関根氏自身ゲイであり、繊細な脚本・演出をする方です。そんな関根氏と共に、これからを生きていく子どもたちに向けて、「悩み」「多様性」「ジェンダー」を扱った作品を創りたいと思いこの企画が始まりました。LGBTに関する新聞記事やイベントに掲げられるのは、「自分らしく生きよう」「自分を好きって言いたい」「違いを認め合う社会に」。これはLGBTに限らず、そうでない人にもそう言えるのではないでしょうか。みんなそれぞれ、個性があって少数者であると思います。自分自身に好きって言いたい、自分らしく生きたい。そして自分以外の他人という存在を考えてもらいたい。そんな想いが込められた作品です。
劇団うりんこが挑んだのは、子ども達に向けてLGBT作品を創ることです。こういった繊維な問題にどう取り組んだらいいのか、私達は学校で啓発活動をしているNPO法人ASTAさんに学校での活動内容、子ども達の様子を聞きました。少人数のグループの中に当事者が各1人入ってグループワークをします。そうすることで、学校内での炙り出しを防ぎ、外見ではなく、その人自身を知ってもらえます。公演でも正しい知識を得て欲しいと思い、公演後に出演者とASTAさんのアフタートークを実施しました。実際、当事者の方が現状や悩みなどを話す事で、より身近に感じる機会となります。
この作品を観て頂き、当事者の方もそうでない方も、自分の存在に自信を持ってもらえる、また自分とは何だろう、他人とは何だろうと考えてもらえる機会になることを期待しています。

文責  劇団うりんこ  鷲見裕美

感想

  • この劇に現れる7人は人それぞれの生き方があって、他の人に変えられるものではないと思いました。私も中学校の制服が苦手だし、制服以外にスカートもはきたくないので、この劇を見て良かったと感じました。できれば、何年後かに自分の心が変わったりしているときにまたみたいです。(10代)
  • 自分の幸せのために生きることが、全ての人にできるようになるといいと思います。(10代)
  • とっても良かったです。こういうテーマって現実でもすごく繊細なもので、更に子ども向けになっているということでとても興味がありました。キャストさんの熱演に演出者さんのこの作品にかける気持ちに目頭が熱くなりました。(20代)
  • 劇の内容に考えさせられることが多くありました。子育てをして、子どもの幸せが親の幸せであることが大切だなと思いました。子育てや社会・環境の変化に負けずに、強く生きていくよう自分もそうありたいと、心強かったです。(30代)
  • ひさしぶりに心を動かされました。誰かのためではなく自分のために来てよかった。どこかに正解があるんじゃなくて自分の中に正解があるのだと思えた。(40代)
  • LGBTへの偏見を持たない 自分でいたいのにどこかで自分の子がそうだったらどうしようという気持ちがありました。この芝居を見てLGBTの苦悩や葛藤、そして自分らしく生きていこうという強さが心に突き刺さり自分や子供達の思う自由とは?生きるとは?人権とは?色んな事で心がいっぱいになりました。(50代)
  • いろんな生き方があるって本当に思いました。もっとはやくこの作品に出会えていたら、もう少し楽に生きられたかな・・・?って思いました。(50代)
  • 今までにないテーマで新しさを感じました。ジェンダーの問題に限らず言ってしまった方が何でも良いのでしょうね。一貫したテーマにすっきりした後味です。椅子を微妙に動かすことで舞台が変わるアイデアとか、主人公を見ることができる人と、出来ない人がいて、説明はないけど解るようになってておもしろかった。(60代)